左図の人の顔のまわりの丸は、現実のビジネスであったり、人の意識や考えでもあります。そして、この丸に“出臍”がついている。この“出臍”こそが、創造活動の成果といえます。つまり、現実には存在しないものを付加し、新しい価値を生み出すこと。“でべそ”は現実の丸と重なっているか、最低でも接していなければなりません。 多くの人々の誤解は、創造活動というと、従来にない全く新しいもの、従来の延長線上ではとらえられない画期的なものというイメージがありますが、この丸と“出臍”が離れていては人は理解することが出来ません。人は、自分の知っていることは理解しますが、知らないことは理解できないのです。人々に過去のことを聞けば、いろいろ話がでてきますが、未来のことを聞くと、多くの人は寡黙になります。将来のことなど判らないからしゃべることが出来ないのです。 逆にこの丸が人に丸の中に入っている場合はどうでしょうか? 「そんなこと知っているよ。つまらないことを言う人だ。」あるいは「そんなに自分の自慢ばかりするなよ。そんなこと判っているよ。」ということになり、いずれも”つまらない奴だ!”ということになってしまいます。 従って、ちょうど“出臍”くらいが良いのです。
創造は人に感動を与えます。
創造は、人の理解の届く範囲で考えることです。そうすれば、人は感動できます。人を感動に導かなければ、それは真の創造とは言えないでしょう。
創造は「人」を考えることである。
ビジネスは究極のところ、「人」に収斂します。
例えば、起業の創造活動を例にとれば、起業家の人となりをまず知らなければなりません。知識、経験、思考回路、性格、理解力、想像力、好奇心、美意識、過去のトラウマ、…
一体この人の理解の届く範囲はどれくらいなのか、そして、この人にとっての“出臍”は何なのか?この起業家にとっての創造というものを考えることは、この起業家の“人間”を考えることに他なりません。